アメリカの地方自治体の特徴 English Home

 アメリカの地方自治で日本と最も異なる点は、地方自治体というものは、国から与えられ又は国の出先機関として存在するのではなく、住民自らの意思により創出されたものであるということである。すなわち、一定地域での人口集中があり、州や郡(州の出先機関)が提供する以上の公共サービスが必要になったとき、住民自らの要求があってはじめて州議会を経て自治体が設立(法人化)されるのである。従って、アメリカには自治体のない地域(非法人化地域)も相当あり、アメリカ国民の2割がどこの自治体にも属していない。「法人化」されてはじめて設立される自治体は、反対に廃止することも可能である。
 自治体を設立するには、「自治憲章」を制定し、州政府がこれを承認し、「法人格」が与えられなければならない。自治憲章とは、日本の地方自治法に当たるような自治体の権限や職制を規定した自治体の基本法であり、各自治体自らが有している。これは、行政形態、公務員の名称・資格及び選出方法、財政、行政サービスの内容、各部局の編成などに関する規定が盛り込まれた行政運営の基礎である。
 また、アメリカの自治体には、「地域のことは、地域において決定し、実行する」という「ホーム・ルール」の思想がある。すなわち自治憲章の制定に際しては、州政府の規定した一般的な範囲内であれば、住民が自由に規定できる。また、具体的な個別の政策に関しても州政府が禁止していない範囲内で裁量が認められるべきであるという考え方である。
 以上のように、アメリカの地方自治体は正に「地方の住民がめる団」なのであって、日本の地方公共団体とは歴史的にも性質を異にするのである。なお、本稿において、「地方自治体」又は単に「自治体」というときは、地方団体中、特に法人化されたもののみを意味し、「地方団体」というときは、法人化・非法人化に関係なく、広く地方政府を意味することとする。